『生涯払い続ける光熱費を合理的に削減する方法』

 2つ目の要素は“光熱費”についてです。

“住宅ローン”には期間に終わりがあるのに対し、

“光熱費”には期間に終わりがありません。

 

 そして、一生涯掛かり続けることになる光熱費を、

今後いかに削減することが出来るかどうかは、

家づくりでとっても大切なコトの1つになります。 

 

 

 たとえば、家で消費するエネルギーの中で、

冷暖房が占めている割合が一体どれくらいなのか?

ご存知でしょうか?

 

 感覚的に捉えてみると、

おそらく半分以上、いやもっと占めているのではないか?

とお考えになったのではないでしょうか?

 

 しかし、現実はというと、

全体のエネルギー消費に対する暖房の割合は約26%であり、

冷房に関しては、たったの約2%しかありません。

合わせて約28%ということです。

 

 他方、意外にもエネルギーを消費しているのが、

家電や照明となどの動力で、

これらで約35%ものエネルギー消費をしていると言われています。

 

 また、給湯も冷暖房を会わせた数字と同じ、

約28%ものエネルギー消費をしている

という結果が出ていました。

 

 さらに、これを細かく見ていくと、

最もエネルギーを消費しているのが家電の冷蔵庫であり、

照明・テレビがそれに続き、

なんと!エアコンはその次という結果でした。

 

 

 

過度の断熱化と床暖房の関係

 

 この結果を受けて、

よく考えなければいけないことが、

過度の住宅の断熱化が必要なのかどうか?

ということです。

 

 住宅の断熱ばかりを強化しても良くありません。

隙間を少なくすることで気密性を良くして

冬の時期の結露が出ないようするのです。

それには熱交換型の換気システムを併用します。

 

 もちろん、国が定める基準の断熱性能を有した

家を建てることはごく当たり前のことです。

床暖房を設置するのであれば、床下の通気を遮断して

熱交換型の換気システムで床下から部屋中の空気をきれいにしながら

循環させましょう。

 床下の環境温度が外気温と変わらないのであれば、

光熱費が掛かる一方です。

 

 もし、性能アップに多額の資金を投じたのに、

実際暮らし出してみると、

聞いていた話より光熱費が削減出来なかったとしたら!

いや、むしろ無駄に家を大きくし過ぎたせいで、

余分に冷暖房費がかかる家になってしまったら大変です。

  

 

 

光熱費削減のためにすべき2つのこと

 

 家の光熱費をカットするためには、

2つのコトに取り組むようにすべきです。

 

 1つは、『出来るだけ家を小さくする』ということです。

当たり前の話ですが、

家の面積を小さくすれば、家の体積も小さくなります。

そして、結果的に冷暖房費を最小限に抑えることが出来ます。

 

 しかし、この場合大切なことは、

無駄を省くことで家を小さくする、ということです。

 

 例えば、温度差が少ない快適な家をつくるために、

もっとも不必要なスペースは“廊下”ではないでしょうか?

もし、廊下をなくすことが出来れば、

家全体の温度差をなくしやすくなり、

個別で使用するエアコンの使用量を

抑えることが出来るようになります。

 

 また、廊下だけに限らず、

他の余分なスペースをカットすることにより、

家の面積を小さくすることが出来れば、

そもそもの建築費を大幅にカットすることが出来ます。

家の価格は、家の面積に大きく左右されるからです。

 

 そして、もう1つ目を向けるべきコトは“創エネ”です。

太陽光発電の設置です。

 

 というのも、住宅の高性能化が、

冷暖房しかカット出来ないのに対し、

太陽光発電は、冷暖房を含めた全てのエネルギー消費を、

網羅することが出来るからです。

 

 ただ、この太陽光発電に関しては、

単純に設置すれば良いわけではありません。

太陽光発電であればなんでも良いわけではないので、

返済方法や設置パネルメーカーなどに注意しながら、

きっちりと試算した上で検討することが大切になっていきます。

LIXILと東京電力が実質0円※で

太陽光発電システムを設置という建て得バリューという商品があります。

 

 しかし、電気料金は今後どんどん上がっていくでしょうから、

太陽光発電を設置するかしないかによっては、

もしかすると生涯ずっと毎月1万円〜2万円も、

電気料金の支払い金額が違ってくることになりかねません。

 

 令和の時代の家づくりをする時には、

光熱費という点にも着目いただくことで、

老後資金の備え費用を、

捻出できるようにしていただければ幸いです。